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つばなれ [daily life (gu-ta)]

時々ひっぱりだして読む
『ペコロスの母に会いに行く』

面白おかしく、そして切なく
認知症の家族との話を描いた漫画。
読んで笑ってほろっとして
あるページになるとどうにも胸が苦しくて
そこで読むのをいったんやめてしまうのです。
読み返す元気がある日とない日があるので
気分にあわせてぼちぼち読みます。

認知症という言葉のない昔、
老人ボケの寝たきりの祖父が亡くなってから
今年で33年になりました。
小学6年の梅雨に亡くなりましたので
徘徊やら色々を見ているので
両親の苦労と一緒に思い出しています。


私がどうしても先に進めなくなるのは
作者のエッセーのページ、
「つばなれ」のお話、どうしてもここで止まります。


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 少子化もあって、鯉のぼりを街なかであまり見なくなって久しいが、よく肥え太った鯉が、風をのみながら色鮮やかに青空を泳ぐ季節になると、思い出す言葉がある。
 つばなれ。
 ひとつ、ふたつ、みっつ…やっつ、ここのつ、とお。10で「つ」が離れる。それで、つばなれ。
 調べてみると、もともとは寄席の言葉で、客が10人を超えることを指すのだそうだが、僕が父から聞いていたのは…
 昔は幼くして亡くなる児が多かったので、「つ」が付くうちは神様の児だと。亡くなっても、神様の思し召しだからしょうがない、嘆くなかれ。「つばなれ」してようやく、神様が親に子どもを渡してくれるのだ。
 という、先人の知恵が生んだ言葉。つまり、児を亡くして憔悴し、嘆き悲しむ親のための処方箋の意味合いを持っていたと。
 生まれてすぐに亡くなった3人目の児、やはり男の子だったのだが、棺の中のその児の亡きがらを抱いて泣き崩れる、若き日の喪服の母の姿を覚えている。母の背を撫でながら、やはり若き日の父は、お経のように「ひとつ、ふたつ…」と言いながら、繰り返し「つばなれ」の話を説いていた。いや、まさしくそれは、父母にとってお経だったのかも知れない。
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(途中省略)
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「亡くなった児の分まで、ワイたち二人には、強く生きてほしかったから、オイが新聞ば折って(作った兜を)かぶせたとさ。そしたらでか過ぎて、二人とも顔まですっぽりかぶってしもて」
 それを見た母が吹き出して、泣き笑いになってしまって。
「ホッとした。他ん人には不謹慎と思われたかもしらんけど、憔悴しきっとった母ちゃんが笑たとば見て、安心したと」
 母は「こん子たちも、つばなれまではまだまだなんですね…」と、シミジミつぶやいたとか。
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(途中省略)
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車椅子の母の背には、この世に数日しかいなかった、3人目の児が現れて、見えないおんぶ紐で背負われている。

ひとーつ ふたーつ
みーっつ よーっつ

 母は体を揺らしながら、つぶやき唄う。

やーっつ、ここのーつ、とお
「つ」の付くうちは神様の
いやいや、やっぱりうちの児ぞ、
つばなれせんでんうちの児ぞ
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『ペコロスの母に会いに行く』より引用


何度読んでもここの部分は胸が苦しくなります。
りんちゃんはいつつ。
もし何かあって神様が連れていくと言っても、
やはりうちの児だもの、連れて行かないで…
「つばなれ」だからと自身に言い聞かせるのは
なかなか難しいと思うのでした。



しくしく、泣きそうになりながら
りんちゃんの吸引をしていると
「ぴんぽーーーん」

お兄ちゃんが散髪と歯医者に行っている間に
友達2人が遊びにやってきました。
「なーんだ、いないんだ」
ふっとみると2人ともサンダルを手に立っている。
「すみません、水道使わせてください」
どうしたの?
「ちょっと沼にはまってしまって」
・・・チョイ待て、この辺に沼は、ないよ?

そういえぱ、家の近くの休耕畑は
水はけが悪くてぬかるみ状態になるけど、
あんたたち、あそこを通った?
どうやら、ピンポーーン[ひらめき]

あそこはうちのお兄ちゃんが
下校時近道して帰ろうと思ったら
思いっきり足がはまった畑だよ?
水はけが悪いから、殆ど作っていないけど・・・
畑じゃなくて田んぼにすればよいくらいなのよ?

小学4年生、うちのお兄ちゃんは冬生まれだから
今はまだ「ここのつ」、もうじき「とお」。
1人は大人の前でおりこうさんで
子どもだけになるとちょっとやんちゃ坊主。
もう1人はその逆のでこぼこコンビ。
いつもはなにかと注意するのですが
今朝は「裸足で帰らないよ」
「道なき道を近道しないでね」などと
この子たちの無事が気になってしまいました。
神様に連れて行かれちゃ駄目だよ~っ



午後から気になって見に行って見ました

image.jpg
水溜りにみえますが
ぬかるんで足をとられる、
子どもたち的には「沼」


image.jpg
向こう側に車が走る、
道路の向こうの学校から
歩いてショートカットして
ずぼっとはまったうちのお兄ちゃん。
「通学路は基本舗装された道じゃないの!?」
道なき道を通って帰るな、
就学後4年経ちますが
未だにこの手の注意はしています[あせあせ(飛び散る汗)]


image.jpg
「ガチャピンが干されてる」
ホームセンターから帰ってきた
お父さんから聞いたものだから
確認したくて散歩してみた理由は、
本当は水溜りじゃなくて…こっち?

仕事を干された、の干されたではなく
純粋に干されていたガチャピン。
で、間もなく7月。
着ぐるみを着て寝るには暑くない?
・・・何かイベントのお仕事をしているのかなぁ?
それとも単に、趣味嗜好??


image.jpg
何日ぶりの青空かしら?


image.jpg
お隣りの植え込み、
色々なお花が咲いています。
蜘蛛かと思ったらカマキリでした。


image.jpg
蒸し暑い、その上に
日差しが暑いのかも。
暑さに萎れていました。


image.jpg
ティアラのようで
思わず撮ったのですが
ズームで撮るとボケてしまいます


image.jpg
ユリの先端が少し太くなってきました、
蕾の準備が進んでいるのでしょう。



ペコロスの母に会いに行く

ペコロスの母に会いに行く

  • 作者: 岡野 雄一
  • 出版社/メーカー: 西日本新聞社
  • 発売日: 2012/07/07
  • メディア: 単行本



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