SSブログ

ヒューマンドキュメンタリー、再び

昨日、アイロンがけをしながら
たまたまつけたテレビをみてしまった。

先月放映されたヒューマンドキュメンタリー、田嶋華子さんについて。
延命拒否の決断を巡る、生き方、家族の話。
見ていて胸が苦しくて、でも、見るのを止めることが出来なかった。
一日の最後の経管栄養の前に、いつもならば仮眠するのだけど
18歳にして延命を拒否したことを番組予告で知って以来
ひとりで見るにはとてもつらいかと思いながら、むせび泣きながら見た。

今回も、どうしようかと一瞬躊躇したのだが指は勝手に
リモコンの1のボタンを押していた。


延命拒否、それは大きな課題。
りんちゃんが、NICUから自宅に帰るにあたり
周産期の先生と退院後に引き継がれる小児科の先生から
退院後容態が変化した時についての話があった。

ひとつは、救急搬送をスムーズにするための事前登録の勧め。
ひとつは、延命治療を拒否する勧め。

1年と1ヶ月、待ちに待った家族揃っての生活が見えてきて
心配もたくさんあるが、期待と希望に包まれている私たち夫婦に
先生方はこんなことをおっしゃった。

この小さな体でたくさんの困難を乗り越えてきた。
予定より3ヶ月も早く生まれ、肺は未熟で弱い。
風邪をひけば命に関わる。そうなった時に
この子に挿管をしてまで命を助けるのはどうでしょう。
これ以上、この子に辛い、痛い思いをさせるのは良いことでしょうか。
そのまま楽にしてあげる、それも選択肢です。
私は、これ以上、りんちゃんに苦しい思いをさせるよりも
延命拒否の決断をしてもらい、楽にしてあげて欲しい。
この子はもう十分苦しんで、十分頑張ったのだから。
退院までに時間があるので、ご家族でしっかり相談してください。

あと1~2ヶ月すれば、夢の一家団欒。
一日でも長く生きて欲しいと思うことが親のエゴなのか?
この子は生きようとしているのに親が勝手に終わりを決めて良いのか?
聴診器をあてても肺の音も心臓の音も聞こえないほど雑音だらけのりんちゃん。
こんなに苦しそうに呼吸するこの子に、「頑張れ」と言い続けるのは残酷かも…
お父さんに祖父母は「なんてことを言うんだ」とカンカンだったけれども
どちらの選択が本当にりんちゃんにとって良いのか考えるほどに
自分はわが子を殺そうとしている?、苦しめ続けようとしている?
どちらの選択も、結局は苦しみ続けることになる。
殺したことに私の心が、か。生き続けることでりんちゃんの肉体が、か。

結局延命拒否について決めかねたままで退院した。
周産期の先生とは、会うことがあってもあいさつもそこそこ。
小児科の先生は、喉頭気管分離をいっぱい勧めてくれた。
喉頭気管分離、誤嚥性肺炎を防げる。気道確保、ある意味延命処置。
延命拒否を勧めていた先生が延命処置を勧めるのならば、やってしまおう。
今年2月、熊本の病院で手術し、術後色々なトラブルから
人工呼吸器、睡眠導入剤、筋弛緩剤、あげくのICU入り。
死の覚悟を迫られつつも、やっぱり認められなかった私。

どの病室を見舞ったご家族かなぁ、可憐なお嬢さんだなぁ…
同じような苦しみに直面した同士(いやいや…勝手に同士扱いOK?)にご挨拶、
「おはようございます」と声をかけ目を見てびっくり!
なんで先生、宮崎からわざわざこんな所に?本当にびっくり。
先生は、熊本での勉強会の帰りに、ICUに立ち寄ってくださったのだ。

一命を取り留め、掛かり付けの病院に転院した際、看護師長から聞いた。
熊本の病院から病状の連絡が入ってからというもの、先生は師長にだけは
りんちゃんの状況を報告し、どうしよう、と心配していた、と。
3週間近く先生の元で回復を見届け退院が近づいたある朝
「おはよう りんたん 良かったね」とりんちゃんに話しかける先生。
先生が「りんたん」って呼んだ…延命拒否を勧めていた先生が、喜んでくれた。


生後間もなく、髄膜炎後、そして喉頭気管分離の手術後。
これまで少なくとも3回、りんちゃんは周囲の予想を覆してきた。
「生きようとする力は素晴らしい、私たちが諦めていてはいけないんですね」
先生や看護師さんたちにそう言わしめた。
この子が大きくなった時に、華子さんのように自らの人生を決められるのか…
この子がそのような判断ができるようになれるのか…
それでもやっぱりこの子は、周囲を驚かせながら生きていくのかもしれない。


わからない、今でも病院側は延命拒否を勧める姿勢なのかどうか。
怖くて確認はできない。もしそういわれても、やはり受け入れがたい。
すべて、どのような選択であっても、すべてのことを受け入れることは
困難なことなのだろうか。時間がかかっても、時間が解決してくれるのかな。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。